電車の音はこれからどんどん変わるかもしれない話
電車。
現代日本人にとって車と肩を並べる足である。
私の住まいはほどほどに田舎で自動車がなければ不便なところに住んでいるのだけれども、駅まで徒歩十五分ほどなので、前職まではもっぱら通勤時の足は電車を使っていた。
さて、創作にあたって電車を表現する時、あなたはどう表現をするだろうか。
その表現が絵なのか文章なのかによって手法は異なるだろうけれども、車窓から見える景色、音や揺れ、あるいは人の混み具合なんかで都心のラッシュから田舎ののどかな単線まで表現できることだろう。
(余談ではあるけれどもガラスの仮面でマヤが電車とバスと乗車している姿を演じ分けたあの描写はものすごく印象に残っている)
私はガタン、ゴトン、という音と揺れがいかにも電車らしく描写しやすいように思う。
そこではたと思ったのは、「あのガタン、ゴトン、という音って何?」ということだ。
レールの上を電車が走る音とは承知だが、深く考えたことも調べたこともない。
ということで改めて調べてみた。
電車のあの「ガタン、ゴトン」という音はジョイント音と呼称されています。
その名の通りレールの継ぎ目を電車の車輪が通過する時に発生するもの。
ちなみにレールは一本25m、これが定尺レールと呼ばれるもので、電車1両より少しだけ長いんだそう。
そのためあの電車の「ガタン、ゴトン」という音はいつもするそうです。
尚レールトレールの継ぎ目は気温によるレールの伸び縮みを考慮して隙間が開けられていて、その隙間が夏は狭く冬は広がるため実は聞こえ方も違うそうです。
そう言えば冬より夏の方が音を気にしないような気がするのは…夏は頭が茹だってるせいかな?
ところで昨今はレールの継ぎ目の方法を変えたり、ロングレールという一本200m以上のレールが登場したことによってあの「ガタン、ゴトン」という音と揺れが減ってきているそうです。
ということは、今後電車の描写で「ガタン、ゴトン」を出しすぎるとひょっとしたら描写としてリアルとの差異が出てくることになるかもしれないなと思いました。
今後ロングレールがどれくらいの規模と速さで全国展開されるだろうかということはありますが、都心と地方、大手と私鉄ローカル線などでレールの音や揺れの個性出てくるのかも…?
と思うと、身近で使う電車から遠出した旅先の電車の音や揺れも観察すると描写に深みを与えてくれるかもしれないなと思いました。
【参考】