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趣味物書きによる「表現」に関するあれこれ

「百物語」ネガティブな出来事をどれだけネタにできるだろうか

怖いもの、に働く想像力

ここのところホラーものの小説を読み漁っているからでしょうか。

本日出てきたキーワードはこちら。

 

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「百物語」

 

あなたは「百物語」はご存知でしょうか?

色々とルールはあるようですが、怪談を順番に百話話していくという伝統的な怪談会です。

100本のろうそくを用意して、一話話すごとに一つ消していき、最後までいくとお化けが出てくる………

the ジャパニーズホラーって感じですね。

 

怪談の持ちネタ、いくつありますか?

百物語というのはいろんなところで聞きかじってはいましたけれども、正式に「こういうものだ」と知ったのは、CLAMP先生のxxxHolicだったかなと。

 

×××HOLiC(2) (週刊少年マガジンコミックス)

×××HOLiC(2) (週刊少年マガジンコミックス)

 

 (↑2巻の後ろの方のお話だった。)

 

 

×××HOLiC コミック 全19巻 完結セット (KCデラックス)

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それはともかく、百物語のルール自体に抱いた私の感想は「百話も話すって、ネタが尽きない?」ということでした。

集まった人が怪談を持ち寄るって言っても、100もバリエーションを持たすのは結構大変。

昔だったらもっと大変だったでしょうに、少なくとも江戸時代から続く慣習ということであれば、昔の人もそれなりに持ちネタがあったということになります。

 

大手掲示板もSNSもない時代に、どうやって仕入れてたんだろう?

え?自前やご両親ご家族ご先祖様の経験?

それはそれで怖い。

 

天国より地獄のイメージの方が、実は多種多彩だったりする

ところで、天国や極楽浄土のイメージって、割と文化圏を違えても似通ってくるんだそうです。

少し、天国や極楽浄土という単語からイメージしてみてください。

 

綺麗で花がいっぱい咲いてていい匂いで、美味しくて、綺麗で…

宗教や文化によりけりですが、美しい神様や天女や天使、妖精などいたりして…

気候も暑すぎず寒すぎず、ちょうどいい常春

痛みもなくつらいこともなく、快適な世界…

 

一方、地獄を思い浮かべてみてください。

実にバリエーション豊かです。

仏教でいう八大地獄、百三十六地獄、六万四千地獄、とか。

キリスト教の地獄もそうですし、現実でも「地獄のような」と形容できる事件や立場もさることながら、そうした不幸に立脚した物語は無数に生み出されています。

テレビ番組などもみていると、あからさまな不幸をネタにした(転落人生やそこからの逆転も含めたお涙頂戴の不幸話)が溢れている。

人間、地獄や不幸というものに対して、無限の想像力を働かせることができるようです。

 

「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。」

 

とは、トルストイアンナ・カレーニナに出てくる言葉ですが、それだけ人は不幸に敏感であり、また興味や注目を集めやすいということなのかもしれません。

 

その前提に立てば、その不幸に説明のつかない不思議要素を足す、もしくはそこにバイアスをかければ、誰もが怪談ネタの十や二十持てるものかもしれません。

そしてその説明のつかない不思議要素にあれこれ想像を巡らせることで…怪談は加速して成立する…。

いずれにせよ、人間の想像力って、果てしない!

 

 

ネガティブをどう楽しめるように料理できるか

人は不幸な、ネガティブなものに注視しやすい性質があるんじゃないだろうかと考えたわけですが、それが悪いわけではありません。

こと、物語を作る側としては、それは大きな創造の源泉でもあるわけです。

幸福はどれも似たようなものであれば、幸福だけの物語はどこか物足りないものになるでしょう。

面白い話とは、基本的には大きな不幸や試練、ジレンマとそこからの成長や飛躍、得るものとの落差にある。

かと言って、誰かの作品と同じではよくてオマージュ、最悪パクリの上デッドコピーでしかなくなる。

ネガティブな出来事の一つ一つは、そのバリエーションを豊かにしてくれる。

と考えると、付き合い方や捉え方が変わってくる。

 

ネガティブな出来事とどう付き合うか。

 

結局ここにたどり着くあたり、創作も人生もよく似ています。

ネガティブな要素は、食材であり、実に豊かなスパイスです。

組み合わせによっては毒にもなり、極上の料理にもなる。

それをどう見て、どう切り取って、どう味付けをして、どう盛り付けるのか。

それ次第で百の物語に化けるなら…失敗や恐怖、恥をかいた甲斐があるというもの。

己の不幸をネタとして使いまわせたら…その時にはきっと、もうその出来事は不幸ではない何かになっている。

 

そういう付き合い方もあるのではないかな、と、今日のキーワードで感じた次第。

 

 

いつもご覧くださいましてありがとうございます。